ミステリーゾーン

「顔（みにくい顔）」
ー３０７号の患者の顔を見た？
ーええ見たわ　私なら死んでるわよ
ーそんなこと言わないのよ
顔に厚く包帯を巻かれてベッドに横たわる女
ー先生　私綺麗になれるでしょうか？
ースミスさん　最善は尽くしました
ー私１１回目なんです
ーそうですかぁ　もう１１回ですか
　スミスさん　お分かりでしょうが　これで本当に
　最後の手術だったのです。これ以上は国も法律で
　出来ません。もし　結果が思わしくなかったら
　あなたは下の世界であなたと同じ顔の人達と
　幸せに暮らす事をしなければいけません
　取り乱したり暴れたりしないでください　いいですね
ー先生　私みんなと一緒に暮らしたいのです
　お願いです　早く包帯」を取って　私を外に出させて！
　知らない世界に行きたくありません！お願い！
ー明日包帯をとりますから今日はゆっくり寝るように・・・
説得に疲れた医師
お辛いでしょうが私情に流されないで法律に従って下さい
と看護師にいたわられる
ー彼女の顔を見たかい？　あの変に盛り上がった肉片の
　瞳の中に確かに女性を見たと思ったんだが・・・
　なんとかしてやりたかった・・・
翌日
ーいいですか？左側から包帯を外していきます
　目は開けたままで光の変化を確かめてください
ゆっくりと厚い包帯が医師によって外されていった
ーどうですか？光がみえますか？
ーはいぼんやりと・・・ああ　随分はっきりしてきました
ーさあ　これが最後の１枚ですよ
包帯が外された　その時　周りの看護師たちが後ずさりを！
ーああ！失敗だった！何も変わっていない！
自分の顔に触れて叫びながら病室を飛びだすスミス！
廊下の職員もエレベーターの中の人も
みんなが　驚いて立ちすくんでいる！
泣き叫び　逃げ惑う　その先でたった１つ開いたドア！
飛び込んで泣いていると
ーああよかった　スミスさん！
　あなたに合わせたかった人がいる部屋で！
追いかけてきた医師がほっとした様子で声をかけてきた
あわてて周りを見回すと　そこには・・・！
ースミスさん　あなたがこれから行く所の代表の方ですよ
ー私行きたくない・・・
ー大丈夫です。あなたはこれから同じ顔の私たちと暮らすのです
　始めは戸惑うと思いますが　慣れたら＜ふるさと＞に帰った
　気分になるでしょう　さあ　荷物をもって私と行きましょう
優しい笑顔の青年に恐怖が消えていくスミスさん
ーいいですか　古い言葉にあるのですが
　覚えておいて欲しい言葉があります
　「美は見る人の目にある」と言う言葉です
　＜見る人の目にある＞んですよ・・・
全てが統一された世界で同じで無い者は反逆者として
隔離された世界に送られる国なのです
全てが同じ顔　瞳は厚い瞼の奥に・鼻は鼻孔が大きく開き
唇は左右非対称の同じ顔しか許されない世界　とは・・・
TVを見ている者からすれば美しいと思えるスミスさんは
異端者として青年とともに隔離された世界へ・・・・

これは＜ミステリーゾーン＞のお話です

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